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アフタヌーンティー好きな調香師が本気で作った、デザートフレグランス。

アフタヌーンティー好きな調香師が本気で作った、デザートフレグランス。

今回のPEACH CHANTILLYを調香した私はこれまで季節ごとに様々なホテルのアフタヌーンティーを訪れてきました。

 

さくらや苺尽くしの春、桃やマンゴー、ハーブが香る夏、濃厚なマロンやショコラが並ぶ秋冬。

海外に行った際も必ずホテルのアフターヌーンティーには訪れます。

紅茶とスイーツを味わいながら、その香りの重なりや余韻に静かに耳を澄ませる時間は、

私にとって「調香」と深く繋がる、感性のトレーニングでもあります。



実は様々な新しい商品開発のヒントになるのはフレンチレストランに行く事と、このアフターヌーンティーからインスピレーションが生まれてきます。


 

桃の香り”が持つやさしさと奥行き。


中でも、毎年楽しみにしているのが“桃”を使ったデザート、アフターヌーンティー。

みずみずしく柔らかで、上品な甘さを持つ果物ですが、香りにするとどこか単調になってしまったり、シャンプーの様な軽さ、またはベースに重たい香りを入れると桃本来の柔らかさが損なわれ重さが出てしまうこともあります。

 

もっと、やさしく、でも芯のある桃の香りが作れないだろうか。


何度も試作を重ねた先で、私が辿り着いた答えは、

ライチの透明感とホイップクリームのような柔らかさのある甘さを重ねることでした。


ライチが加わることで、桃の香りに澄んだ輝きと軽やかさが生まれ、

ホイップクリームのような乳白色の甘さが、それをやわらかく包み込みます。


まるで、ふわふわのスポンジに挟まれた果実のデザートのように。

香りなのに、口に含んだかのような幸福感が残るフレグランス——

それが「PEACH CHANTILLY」です。

 

香りの構成(ノート)

  • Top:ピーチ
  • Middle:ライチ、ローズ
  • Last:シャンティクリーム、バニラ

非常にシンプルな構成です。

トップからラストまでピーチが続き、ライチの爽やかさがほんのりと、ローズはローズの香りは直接的にはしません。

桃からもローズの香りはしないと思いますが実は共通する香気成分を5つも持っています。

調香をする際はこの共通する香料成分がものすごく重要となってきます。

桃の華やかさをこのローズのニュアンスをほのかに入れる事でより美しく表現しました。

 

シャンティクリームには牛乳から抽出したバターオイルやシュガー、ホイップクリームの柔らかさなど様々な要素を入れています。

 

ほんのりフルーティーで甘く、けれど軽やか。

ゆっくりとお茶を淹れて、甘いものをひとくち頬張るとき、午後のひととき、ティータイムの時間に合わせて甘い香りを纏う、アフターヌーンティーに行く前に纏う。

そんな時に使って頂きたいです。

 

「気になってはいるけれど、甘すぎるのは苦手かも…」

「フルーツ系って子供っぽくならないかな…」


もし、そんなふうに迷われている方がいらっしゃれば、ぜひ一度試していただきたいです。

この香りは、“甘い桃のスイーツ”でありながら、“大人の肌にも似合う空気感”を大切に作りました。

先ほど伝えたライチやローズのアコードの中には天然香料が使われています。

トルコローズアブソリュート、マンダリンオレンジエッセンス、様々な天然香料を絶妙なアクセントで使う事で透明感の中にも芯のある桃の甘い香りを再現出来ました。

 

決して重くならず、だけど一瞬で心を満たしてくれる、

 

スイーツを食べる特別な時間の様に、

様々なアフターヌーンティーやスイーツを食べてきた調香師が本気で作ったデザートフレグランス。

そしてご褒美のような香りを探していた方に、そっと届けば嬉しいです。