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VOL.5 白い花だけを束ねたWHITE。チュベローズの様々な表情を魅せる。

VOL.5 白い花だけを束ねたWHITE。チュベローズの様々な表情を魅せる。

WHITEはチュベローズの濃厚でクリーミーな甘さが、うっとりするような魅惑を放ち、ジャスミンの華やかで艶やかな香りが、心を解きほぐすように漂います。


そこにユリの凛とした気高さが加わり、オレンジブロッサムやジャスミン、ミュゲ白い花々の香りが後を追います。


清楚さと官能性、柔らかさと力強さという、

相反する魅力を絶妙なバランスで持ち合わせたまるで白い花の肖像画。


WHITEの香りを紹介してみましたがこの香りは単なるホワイトフローラルアコードではありません。


調香師の和崎が好きな香料の一つにチュベローズアブソリュートがあります。

単体ではスパイシーな中にまろやかな甘さと濃厚さがありほのかにバルサミックでありクリーミー。

まさに魅力的であり、様々なニュアンスを含む香りです。

 

WHITEのトップノートはラズベリーの香りからスタート。

和崎はWHITEの香りを調香する際に色のイメージから考えました。

チュベローズの花は白いですが濃厚でスパイシーな香りを赤で表現。

そしてその赤に合わせたのは同じ印象の赤を持つラズベリー。


フルーティーでジューシーな中にもワインのような芳醇な香りを放つラズベリー。香りの組み合わせを考える時は色で例えてその色と色が重なった時のイメージを結びつけます。

WHITEと言う名前から連想するのは純白で柔らかなフローラルなイメージかもしれません。

しかしそこにはしっかりとした花々の強さを表す"赤"を感じるはず。


ミドルノートでは、濃厚なチュベローズに寄り添うように、オレンジブロッサムやジャスミンが重なります。いずれも、上質なアブソリュートによる豊かな香りのエッセンスを使用しています。

アブソリュートは「揮発性溶剤抽出法」によって得られる香料で、チュベローズの他、ジャスミンやローズといった繊細な花から、成分を壊さずに香りを抽出することができます

一方で、微量の溶剤が残留する可能性もあり、品質による違いが非常に出やすい香料でもあります。

安価な精油では溶剤残留が多く、花本来の美しさや深みが失われてしまうことも。さらに、香りの鮮度や保存状態も品質に大きく影響します。

私たちの手元に届くアブソリュートは、世界最高品質のLMRを使用。

 

徹底した品質管理のもと日本へと運ばれています。そのクオリティでなければ、花の持つ本来の魅力を美しく再現することは難しいのです。

 

そして柔らかさを表現したのはミュゲアコードやラクトン系のクリーミーな香りをアクセントに。


単一的にチュベローズの香りを表現するときに、あのまったりとした甘さと重さ、スパイシーなニュアンスが他の花々と束ねたときにどう美しく香るのか

チュベローズの香りの表現を試行錯誤しました。


ラストの香りにカシュメランとアンバーアコードを組み合わせる事でチュベローズの妖艶な香りにクールな表情を与えました。


そのトップ、ミドルから移り変わる様子は徐々にチュベローズに様々なニュアンスをもたらせます。

チュベローズの新しい表現を見つけることが出来ました。

真っ白の花束からは想像もつかないほどの香りをお楽しみください。